当院では肝臓専門医として肝炎治療を積極的に行っています。中でも、C型肝炎治療は著しく進歩しており、常に最新情報・治療を提供出来るよう努めています。
【C型肝炎治療】
かつてC型肝炎治療はその副作用に耐えながら、半年から一年間、インターフェロン注射を続ける治療でした。今は直接C型肝炎ウイルスをたたく薬を毎日飲むだけで、98%の方がウイルスをなくすことが出来るようになりました。ウイルスの型にもよりますが、薬を飲む期間は2か月から半年。ほとんど副作用もなく、かつての治療を知る方にはウソのようなホントの話です。いずれは、C型肝炎は撲滅されるでしょう。
ただし、治療には莫大な薬代が必要です。健康保険で3割負担の方でも月に数十万円必要ですが、高額医療負担の制度があります。市町村で異なりますが、月におよそ1~4万円の支払いで治療できます。
【B型肝炎治療】
まだ、B型肝炎ウイルスを体からなくす治療はありません。肝炎ウイルスが暴れている状態を抑え込む治療となります。若い方、子供を作ろうと考えている方は、インターフェロン治療を優先します。37歳以上となると、「核酸アナログ製剤」という直接ウイルス活動を抑える薬を飲むことになります。この薬は、飲んでいる間はB型肝炎ウイルスを抑え込み、ウイルスも血液中から消えて肝機能検査も正常値となりますが、中止すると再び体の中で暴れるようになります。飲み始めたら勝手に中止すると危険です。
この治療法も高額な薬を飲み続けることになります。健康保険で3割負担の方でも毎月数十万円が必要となりますが、高額医療負担制度を申請して1~2万円の負担で治療を継続できます。
☆B型肝炎・C型肝炎について
多くの方が大人になってから健康診断や献血の時、又、他の病気で病院を受診した際に見つかっています。痛くもえらくもないので分からないのですが、症状が出た時には若くても肝硬変や肝臓癌になっていることの多い病気です。C型肝炎は慢性肝炎→肝硬変→肝臓癌と進行しますが、B型肝炎ウイルスは健康な肝臓にいきなり肝臓癌を作ることもあります。きちんと調べて健康なウイルスキャリアーと診断されても、いつ再び活動を始めるかが分からないので定期的な診察が必要です。